環境芸術学会第4回大会 概要報告
10月25日(土)〜26日(日)
於:アクアマリンふくしま
小名浜海陸運送6号倉庫
去る10月25日(土)〜26日(日)、福島県いわき市小名浜において、環境芸術学会第4回大会が開催された。大会事務局及び、共催されたふくしま海洋科学館、ご協力をいただきました、いわき建築設計事務所協会、いわきデザイン会、いわきララミュー、小名浜市民会議 歴史建築活用委員会の方々の尽力により、内容の濃い、充実した大会であった。
大会概要
環境芸術学会第4回大会報告 広報担当:前田義寛
環境芸術学会第4回大会は2003年10月25日、26日の2日間にわたり福島県いわき市小名浜のアクアマリンふくしまを中心に、小名浜港周辺施設を会場に開催されました。小名浜沖は、黒潮と親潮がぶつかりあう太平洋の潮目の海として知られています。今大会は、「環境・交流・芸術」を大会のキーワードとして、学会と地域社会の皆さんとの出会いを重視して企画されました。このため大会はアクアマリンふくしまと共催という形をとり、地元で企画・開催される「第1回小名浜環境芸術斎」と連動して開催されました。期間中は「環境芸術in 小名浜」として、大会行事のほか、市民参加の各種アートイベントが市内各所を会場に開催され、地域社会と一体となって環境芸術をエンジョイしました。
環境芸術学会第4回大会の行事
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エクスカーション:10月25日午前11時からエキュスカションとして五浦美術館(北茨城市大津町)を見学しました。この美術館には岡倉天心の業績を紹介する記念室があるほか、横山大観、下村観山など日本画発展史上の貴重な作品が収蔵、展示されています。参加者は近くにある天心ゆかりの六角堂などを散策し、大会会場のあるアクアマリンふくしま、展示会場小名浜海陸6号倉庫へ参集しました。
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エキジビション「環境芸術の現在2003」展:10月25日(13:00〜18:00),26日(9:00〜17:00)。会員伊藤隆治氏の発案で小名浜港に昭和50年代に建設された6棟の倉庫のひとつを借り受け、肥料倉庫をアートイベント空間に変身させるというダイナミックな展示企画が実現しました。倉庫の保有者である小名浜海陸運送鰍フ絶大なる協力の下に、肥料倉庫は会期の2日間は、多彩なアート作品展示とアートパフォーマンスの会場、そして人々の交流のコミュニケーション空間として機能しました。40M×20M,高さ8Mの巨大な倉庫空間は、会員池村明生、馬場美次両氏の会場構成と照明プランニング(協力:丸茂電機)により、“環境芸術空間”に一変しました。映像展示では日本ビクター鰍フ協力をいただきました。
会場では、立体展示、パネル展示、映像展示などがさまざまな形態で行われ、学会会員によるパネル発表4件、作品発表14作品が公開されました。
会場6号倉庫
エキジビション「環境芸術の現在2003」展会場
エキジビション「環境芸術の現在2003」展会場
エキジビション「環境芸術の現在2003」展会場
エキジビション「環境芸術の現在2003」展会場
伊藤隆治氏作品
趙慶姫氏作品
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キッズワークショップ「漂着物でアートしよう」:10月25日(10:00〜16:00)、子供を対象とした環境アートイベントが行われました。会員谷口文保、前田義寛両氏指導のもと、約30人の親子が参加、午前中に小名浜海岸までバスで移動し、貝殻、海藻、木片、陶片などを採集、午後から谷口会員の制作指導で作品作りにはいりました。小さな鉢、油性粘土、針金を材料に、海岸で拾った“小さな自然”でオブジェを創作するというこころみで、親子ずれは愉しいアート制作に盛り上がりました。出来上がった作品は、倉庫のエキジビション展示に組み込まれ、子供達はおおはしゃぎして喜んでいました。作品展示の後、谷口、前田両会員が講評し、協力いただいたNPO日本渚の美術協会本間正会長からは「海の環境を守りましょう」とのアピールがありました。
参加した子供たち
子供たち
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パフォーマンスライブ:第1部は10月25日18:00からアクアマリンふくしまで開催された懇親会の後、会場を同館の潮目大水槽前に移し、移植の水槽を背景とする音楽パフォーマンスが行われました。高原聡子(東京雅楽会、笙奏者)、石井拓洋(デジタル・ミュージッ)による「笙とデジタル音楽のコラボレーション」は、参加者にいままで体験したことがないショッキングな視響環境を提供しました。この雅楽楽器とコンピュータのコラボレーションはまさに潮目の小名浜での環境芸術学会開催の意義を象徴するもので、伊藤会長をはじめ学会員一同感銘を深くいたしました。
第2部(20:00〜)は会場を6号倉庫に移し、クリストフ・シャルル(会員)さんによる「サウンドライブ・インスタレーション」が行われました。大型映像と環境音、デジタルサウンドを駆使した迫力あるパフォーマンスが展開され、環境芸術学会ならではの演出に地元の参加者に大きなインパクトを与えました。素材を現場に持ち込んでその場で構成するというきわめて実験的な試みであり、意外性のある倉庫空間の特性を巧みに組み込んだライブが実現しました。
伊藤隆道会長
パーティ
アクアマリンふくしま
[潮目大水槽前]での
パーティ
「笙とデジタル音楽のコラボレーション」
高原聡子(東京雅楽会、笙奏者)、
石井拓洋(デジタル・ミュージッ)
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研究発表(口頭発表):10月26日(10:30〜12:30)、アクアマリンふくしまマリンシアターで開催されました。本年は6件の発表がありましたが、地元福島県生活環境部のスタッフによる猪苗代湖や磐梯山の自然保護、景観保護などに関する事例報告がおこなわれ、今までの大会とは一味違った地域連動型の研究発表でした。
研究発表(口頭発表
研究発表(口頭発表
研究発表(口頭発表
研究発表(口頭発表
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シンポジウム「環境・交流・芸術」:10月26日(13:30〜15:30)、マリンシアターにおいてゲストに米国モントレー水族館デザイン部長ドン・ヒューズ氏を迎えて開催されました。パネラーとして、安部義孝(アクアマリンふくしま館長)、西和夫(神奈川大学教授)、石井勢津子(会員、アーティスト)、司会進行は國安孝昌(会員、筑波大学助教授)の皆さんが務めました。
このシンポジウムは、立場やバックグラウンドの違うパネラーがそれぞれの立場から「環境」と「芸術」について専門の立場から意見や所感を述べ合うというきわめてフランクな討論の形で進められました。最初に、ドン・ヒューズ氏がモントレー水族館の展示や空間のデザインにおけるアート性の重視について具体的な事例を交えて報告、水族館とアートのかかわりについて解説しました。
この後、安部氏はマリンミュージアムふくしまにおける展示の特性、アートイベントを催事として導入するコンセプト、水族館と環境問題のかかわりなどについて、館の実績、事例を報告、水辺環境の持続を目指す「環境水族館」というユニークな館のコンセプトを紹介されました。西氏は、建築史という立場から日本各地(平戸、江津等)の建築文化財の状況と歴史建築物の保全についてスライドを使って報告、特に近著『海・建築・日本人』をふまえて、海から見た陸地の建築物について説明されました。石井氏は、最近の作品をスライドで紹介しながら、専門の光や照明のアート空間創造の事例を発表しました。とくに太陽と水を取り込むインスタレーションへの関心について述べました。國安氏は、真の豊かな社会像を作り上げるためにも「景観復興」が大事であることを指摘するとともに、パネラーの発言を集約、「環境芸術」の発展を目指して、学会としても今後さらに努力していくと締めくくってシンポジウムは終了しました。
ドン・ヒューズ氏の基調講演
ドン・ヒューズ氏
シンポジウム
シンポジウム
第4回総会
環境芸術学会第4回総会は10月25日(16:30〜17:30)、アクアマリンふくしまマリンシアターで開催されました。横川昇二会員が司会進行し、伊藤会長の開会挨拶の後、議長を選出、
氏が議長席につき議事が進行されました。事務局高須賀昌志会員が平成14年度事業報告、同決算報告を行い、吉田泰巳会員が監査報告をそれぞれ行い承認されました。このあと、平成15年度事業計画案、同予算案、会則の一部改正をそれぞれ審議、原案どおり可決されました。続いて伊藤会長より平成16年度の大会計画案が提案され承認されました。国安大会実行委員長の閉会の挨拶で第4回総会は終了いたしました。
小名浜「まちなか散歩美術館」に出展
「小名浜国際環境芸術祭」(主催:小名浜国際環境芸術祭実行委員会)が開催され、市内の教会、神社、小名浜支所などに会員の作品が展示され、町の人たちや子供達に環境芸術作品を身近に感じてもらうことができました。伊藤隆道、趙慶姫、伊藤隆治、高須賀昌志ら会員の作品が展示されました。
伊藤隆道氏作品
伊藤隆道氏作品
伊藤隆治氏作品
大漁旗シンボルモニュメント
小名浜国際環境芸術祭垂幕
●掲載記事
朝日新聞 2003年10月26日(日) 朝刊
福島民友新聞 2003年10月26日(日) 朝刊
福島民友新聞 2003年10月26日(日) 朝刊-(2)
福島民報新聞 2003年10月26日(日) 朝刊
福島民友新聞 2003年11月4日(火) 朝刊
福島民報新聞 2003年10月27日(月) 朝刊
福島民報新聞 2003年10月27日(月) 朝刊-(2)