池村明生著 「空間づくりにアートを活かす」 刊行

会員 池村 明生
 
学会理事で、数々のアートプロジェクトに従事してきた池村明生氏の著書が、
学芸出版社より5月11日発行されました。

A5判・200 (カラー16) 頁
定価2625円 (本体2460円)
ISBN4-7615-2388-3
学芸出版社
 池村氏は建築やランドスケープにかかわるアートの中で、「空間づくりをサポートする」「空間を利用する人々に豊かさを提供する」アートを、従来のパブリックアート、モニュメントアートと区別して<プラスアート>と名付けて、その価値や意味をいくつかの事例を紹介しながら、わかりやすくまとめています。
 主に建築やまちづくりに関わる事業者や設計者を対象としていますが、アーティストやアートコーディネイターの方々にもぜひ読んでいただきたい内容です。「予算」「発注形態」「契約」「瑕疵責任・保険」など、特に経験の少ないアーティストにとって苦手な部分が参考になります。
 また「アートのトラブル」など、事業者や市民との対立については耳の痛い指摘もありますが、環境芸術には避けては通れない問題です。
 何よりも池村氏自身がアートの力を信じていることが、読者にも伝わってくる本です。
「空間づくりにアートを活かす」の紹介に際して 池村明生
  「空間づくりにアートを活かす」は初めて書き上げた本である。そして、本のエピローグには次のようなことを記した。
 『アートと建築、まちづくりにかかわる仕事をさせてもらい、かれこれ二十年が過ぎた。はじめはアーティストを集めた商業施設での展覧会。その後徐々に、企業、自治体、国といったかかわりが多くなり、アートと建築、まちづくりにかかわる仕事に発展していった。その間、アーティストはもちろん、企業人から公務員、さらに建築やまちづくりにかかわる様々な関係者に出会い、それぞれの立場の考え方を知り、またスピリッツを与えてもらった。アートの仕事をしていると魅力を感じることが多い。アートが立場を超えて様々な関係を結んでくれる。ややもすると仕事であることも忘れてしまうほどに。』
 このようにこの本では、アートの仕事を通じて、アーティストまた建築やまちづくりにかかわる事業者や設計者、施工者との間で、コンサルテーションやディレクション、またコーディネイトをさせてもらった私の立場から見、聞き、感じたことをまとめあげている。
 本の中では“プラスアート”という言葉を使い、あえてパブリックアートやモニュメントアートと異なるアートのかたちを設定した。建築やランドスケープにかかわるアートの機能、また設計者やアーティストの役割がどこにあるのかを、環境芸術にかかわる人たちにも考えてもらう契機となれば幸せである。